救助工作車V型

阪神・淡路大震災後に作られた規格で、緊急消防援助隊に登録されている救助隊に配備されています。4WDシャーシにクレーン、照明装置、ウインチ、通常の資器材の他に高度救助資器材を積載しています。

浦和市消防本部中央消防署配備 シャーシ:日野FZ1FJC改 製作:帝国繊維

スーパードルフィンプロフィアの8t級4WDシャーシを使用した救助工作車です。通常のラインナップでは4WDシャーシの設定が無く、除雪車用の特注シャーシを使っているようです。フロントグリルはトラクタヘッド用の物を使用しています。前照灯の光軸が高くなってしまう為、バンパーに移設されています。車高が高く、最小回転半径が8.8mと大きく(ちなみに50m梯子車などに使われる4軸車でも8.5m程度)、市街地では小回りが効かず、死角も多いので広域派遣時はともかく通常の災害出場ではかなり使いにくいのではないかと思います。

ウニモグ救助工作車

入間東部地区消防組合消防本部中央消防署配備 シャーシ:メルセデス・ベンツ U2150L/38 製作:1997年 日本機械工業

ベンツのウニモグベースの救助工作車です。悪路の走破性は他のトラックシャーシと比べ、比較にならないほど抜群で、登板能力45度、水中走行性能1.2m、4輪デフロックを誇ります。後部資機材庫は電動シャッターになっていますが、車高が高い為、資機材の出し入れには苦労しそうです。この車両は左右にメタルハライドサーチライトを2灯づつ装備し、後部には赤と青のウィレン製キセノン灯を装備しています。



 

 

柏市消防本部西部消防署配備 シャーシ:いすゞKK-FSS33G4J改 エンジン:6HH1F 製作:2001年 日本機械工業

この車両は5t級、標準キャブ、フルタイム4WDシャーシベースのV型救助工作車です。一般的な7t級ワイドキャブの車両と比べ、乗降性や走行性、パートタイム4WDの高床式と比べ、最小回転半径も小さく使いやすいと思います。このタイプの車両は千葉県内に多く見られます。チェーンレスステップの採用、大橋機産製内蔵型両引きウインチの採用で蝶番の露出や張り出しバンパーが無く、外観はスッキリとまとまっています。三連梯子昇降装置には東京いすゞ製、クレーンは古河ユニック製です。照明塔は湘南工作所製で、操作部はタッチパネル式で従来品比べ、省スペース化図っています。後部に設けられたステップは逆L字型にしてあり工夫が見られます。

春日部市消防本部春日部市消防署配備 シャーシ:いすゞKC-FTS33H4改 エンジン:6HH1F 製作:1997年 森田ポンプ

いすゞフォワード7t車ベースのV型救助工作車です。多くのV型がベースとしている7tの4WDシャーシは日野といすゞが標準でラインナップされていますが、そのほとんどは日野ベースであり、いすゞベースはごく少数です。ヘッドライトが車高の関係でバンパーに移設されており、重厚なイメージが出ています。

 

 

沼津市消防本部北消防署西分署配備 シャーシ:KK-GX1JGEA改 製作:2005年 畠山ポンプ製作所

5.5tフルタイム4WDシャーシベースのV型救助工作車です。こちらの消防本部ではU型からV型へ更新配備の際、管内の道路事情、通常の災害活動を一番に考えた結果、一般的な7tシャーシを採用せずに5.5tシャーシを採用したそうです。資機材の収納レイアウトにも少ないスペースに多くの資機材を低重心に配置した苦労の跡が覗えます。上部には昇降式メタルハライド照明灯と手動式三連梯子積載装置のみを配置し、資機材の積載や活動スペース広く取っています。広域応援時にはこのスペースに、高度救助資機材や隊員の個人装備をアルミ製の収納ボックスに積載し出場します。主な装備はROTZLER製両引きウインチ(前5t、後10t)、HIAB製098Dクレーン(ブーム長5.6t・クレーン容量8.8t-m・最大吊り上げ能力2.9t)、MINIMAX製ハイドレックス高圧噴霧消火装置(PTO駆動・水槽100L)です。座席は空気呼吸器取付装置一体型シートを採用しており、呼吸器装着時の乗り心地を向上させています。隊名表示灯は電動回転式で「特別救助隊」(通常時)、「沼津救助」(静岡県内応援出場時)「静岡救助」(緊急消防援助隊出場時)と表示が可能です。

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