屈折放水塔車・大型高所放水車

高所からの大量放水を目的とした車両で、「高所放水車」とか、「スクアート車」などと呼ばれている車両もあります。中でも、コンビナート火災用のA-1級ポンプを装備した大型高所放水車は大型化学車、泡原液搬送車と共に化学車3点セットの1台として配備されています。

大型高所放水車22m

川崎市消防局臨港消防署配備 シャーシ:日野U-FH2KLBA改 ポンプ:A-1(ME-7B) ブーム:2節22.1m 製作:森田ポンプ

ブームは最大22mの高さまで伸ばす事ができ、A-1級ポンプも装備しています。アウトリガーの張り出し、接地からブームの全起立までと収納もボタン1つの全自動でおこなえます。また、有線リモコンからも操作が可能になっています。最大泡放射量は3400L/min,最大射程距離は70mと従来型に比べて性能は格段に向上しています。今までの22m級の高所放水車は10tの3軸シャーシを使用していましたが、この車両は8tシャーシを使用していて小型化されています。

 

川崎扇島地区共同防災協議会配備 シャーシ:三菱FT112N改 ポンプ:A-1級(GMAC3) ブーム:3節22.4m 製作:1979年 GMいちはら工業

この車輌はGMいちはら工業で製作された非常に珍しい大型高所放水車です。ブーム先端のノズルの上下左右の動作には油圧モーターによるギア制御となっています。

  

八戸地域広域市町村圏事務組合消防本部八戸消防署河原木分遣所配備 シャーシ:日野TC343改 ポンプ:A-1級(ME-7) ブーム:3節23m(MQ-20A) 製作:1977年 森田ポンプ

この車両の放水能力は3,800L/minで、大型高所放水車にしては珍しく、先端にはモニターノズルの他に破壊装置(油圧銛)が装備されています。

粉末消火剤積載大型高所放水車22m

東京電力南横浜発電所自衛消防隊配備 シャーシ:日産ディーゼル ポンプ:A-1級(ME-7B) ブーム:2節22m 製作:森田ポンプ

この車両はA−1級のポンプの他に真ん中の丸いタンクに宮田工業製の粉末消火剤タンク(粉末消火器と中身は同じです)を備えています。ロングシャーシを使用し、ブームがキャブ上部に来ないような艤装をしています。おそらく、車庫が低いか、発電所内で配管等により、車高の高い車両が通行できない所がある為、このような艤装になったと思われます。

高圧噴霧放水塔車

東京消防庁大井消防署八潮出張所配備 シャーシ:日野U-FH2KLAA改 ブーム:2節16m 製作:1991年 森田ポンプ 改造:櫻護謨

8t級シングルキャブシャーシのボーリング放水塔車を改造し、ブームの先端のボーリング装置を外し、通称ターミネーターというインパルス銃の親玉のような物に付け替えた車両です。、ビル火災の時に高圧の霧状の水を火に向けて撃ち、火災を窒息消火する事ができます。一回の発射で5L程度の水でしか使用しないので、下階の水損防止に役立ちます。

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